過去の財務推移から判断軸をみる
伴走を始めて約10か月。これまで幹部の皆さんと、自社の歴史や強み、社会から求められる役割を掘り起こし、対話を重ね、たどり着いた本パーパス。
そのパーパスを経営の判断軸として使い、実際の数字とのつながりを再認識する時間。
答えを外から与えるのではなく、自分たちで考え、対話し、判断できる組織をつくる。パーパスを良い言葉で終わらせず、財務までつなげていく。
今回、過去数期の財務推移を、幹部の皆さんと改めて見ていきました。
南石開発様は、近年、大きな成長を遂げています。
売上も利益も着実に伸び、企業として一つの節目を越えました。
それは、これまで積み重ねてきた技術、信用、挑戦、そして社員の皆さんの努力によって生まれた成果です。
しかし、今回見たのは、結果としての成長だけではありません。
その数字は、どのような判断と行動によって生まれたのか。
さらに、
その成長は、この先も続いていく構造になっているのか。
数字の奥へと、問いを進めていきました。
肌感覚で乗り越えてきた過去
すると、幹部の皆さんから、これまで現場で感じていたことが次々と言葉になりました。
・工事と工事の間に、仕事が薄くなる時期がある。
・人が増えた一方で、以前よりも多くの人数を配置している現場がある。
・忙しい時には受けられなかった仕事があり、その後に閑散期が訪れている。
これまでも予想や予測は立てていました。しかし、そこには曖昧さもありました。
・工事には予期せぬことが起こる。
・時期や自然災害によって忙しさも変わる。
・この業界とは、そういうものだ。
それでも、これまでは何とかなってきた。
現場を熟知した経営者と幹部が、肌感覚で動き、調整し、乗り越えてきたからです。
しかし、そのやり方のままで、次の成長へ進めるのか。
会社が新たな段階に入った今、問われていたのは、まさにそこでした。
計画と現実の間にあった大きな差
この日は、今期の見通しについて確認しました。
前年までの成長を踏まえ、今期も一定の売上を見込んでいました。
しかし、現在動いている工事や完成時期、今後の受注状況を改めて確認すると、
当初の計画と、現時点での見込みとの間に、大きな差があることが見えてきました。
その数字を、その場で経営者と幹部の皆さんが共有しました。
決算が終わった後に知ったのではありません。
この時に、全員で同じ現実を見ました。
静かでした。
しかし、その沈黙は、誰かを責めるものではありませんでした。
これまで感じていた現場の違和感。
その原因が、外部環境だけにあるのではなく、
未来仕事を生み出すための行動を、自分たちが十分にできていなかったことにも気づいた瞬間でした。
肌感覚を、経営の数字へ
これまで、工事の流れや人の動きは、現場の感覚として見えていました。
「あの現場には少し人が多いのではないか」
「この工事は外注費がかかっている」
「この時期は仕事が薄くなりそうだ」
その感覚は、決して間違っていません。
長年現場に向き合ってきたからこそ持てる、大切な経営資源です。
しかし、感覚だけでは、その気づきを全社の判断へ変えることができません。
・受注時に、どれだけの粗利を見込んでいたのか。
・その進捗に対して、外注費や労務費をどれだけ使っているのか。
・一人ひとりの技術者が、1時間でどれだけの価値を生み出しているのか。
工事が終わってから、「思ったより利益が残らなかった」
と分かっても、使った時間は戻ってきません。
だからこそ、結果としての決算を見るだけではなく、
現在進行中の仕事が、今どれだけの粗利を生んでいるのか
を見えるようにする必要があります。
肌感覚を否定するのではなく
それを数字に変え、共有できる経営へ進化させるのです。
未来粗利を生む行動ができていたか?
幹部の皆さんが、自分たちでつくったパーパスを判断軸に、経営の数字と向き合いはじめました。
計画との差を前にしても、誰かに答えを求めるのではなく、
「なぜ起きたのか」
「自分たちは何を変えるのか」
を考え始めた。
まさに、経営を一人でやらない会社へ向かう瞬間だったと思います。
パーパスが、言葉から判断軸へ。
判断軸が、行動へ。
行動が、現在粗利と未来粗利へ。
南石開発様のESGパーパス経営は、ここからさらに深く、経営の中枢へ入っていきます。
沖縄エリアマネージャー
幸喜すいの


